小さくて個性的な店の作り方 その①居抜き物件を工夫次第で面白い店に【イタリアンバールROCKVINO開業エピソード】

店造りにおいて誰しもが経験すること。

それは、物件探しだ。

 

はやい人で3ヶ月、遅ければ1年以上かかる。

 

恵比寿、麻布、青山、表参道、渋谷。

人気のある土地は家賃もやはり高い。

 

資金が限られているオーナーにとっては、

物件探しにも色々と制約が出てくる。

でも大事なのはコンセプトにあった立地を選べるかどうかだ。

なんとなく。では駄目。

「ここが良い。なぜなら○○だから。」というのが必要だ。

 

「イタリアンバールROCKVINO」の場合だとコンセプトが「ロックなイタリアン」で「もの作りやクリエーターの溜まり場になるような店」という狙いがあった。なので、中野や西荻窪、吉祥寺に秋葉原といったサブカル臭がある、中央総武線沿線を中心に物件を探し、最終的には浅草橋に落ち着いた。

 

居抜き物件で元スナックという妖しさと2階である点が隠れ家的な店造りに合っていた。

他の誰もやらないようなことをやる店に相応しい場所として今の物件を選んだ。

 

でも初めて内見したときの印象は正直あまりよくなかった。

と言うよりも、かなり悪かった。

 

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これがその時の写真。

 

「暗くて、よくわかんなーい。」

 

そう思う人がほとんどだろう。

 

窓には暗幕が張られ、「風営法の関係で・・・。」という謎の言い訳で電球は抜き取られ、真っ暗。

 

夜真っ暗。昼も真っ暗。電気を付けても薄暗い。

暗い気持ちになってしまう暗さだった。

 

その上この物件突っ込みどころが満載だった。

 

店の中央に謎の段差がある。

ガスが通ってない。

カウンターの内側が異常に狭い。

入り口の横にカウンターの内側がある。

電気のスイッチが入り口から離れたところにある。

トイレが絶望的にダサい。

たいした設備じゃないのに造作譲渡費用が140万する。

・・・。

 

「厳しいかな・・・。」

最初はそう思っていた。

でも知恵を振り絞り、解決策を考えた。

 

一人で営業するなら料理は切ったり温めたりするだけで出せるものを作ろう。

となれば、カウンター内にはコールドテーブルとIHヒーターがあればそれでいい。

 

控え室を改装して、そこを仕込み部屋にして最低限必要なガス器具を置こう。

 

段差があって客席の配置が限定されるんだったら、いっそ席数を減らして落ち着いた感じにしよう。

 

入り口横にカウンターがあるのなら、エントランスを作って入り口から店内が見えないようにしよう。

そうすれば入ったときに緊張感と好奇心を生み出せる。

 

などなど。

 

問題点も発想次第、工夫次第でなんとかなるもの。

そうやって造った店はオリジナリティーがある。強烈なインパクトがある。とてもロックな店になる。

 

「僕がいる場所」乃木坂46

 

バールROCK VINO

〒111-0053
東京都台東区浅草橋1-31-4大原第3ビル2F B室
アクセス 浅草橋東口から徒歩1分
営業時間 18:00~0:00
定休日 不定休